黄金卿:マンカ

ヨーロッパから上陸した新しいフィギュアキットがダーク・プレイス・ミニチュアです。

日本とは一味違うヨーロッパの歴史トッ伝統から生まれたクリーチャー、キャラクターたちを超絶なディテール表現で再現します。

悪魔が支配する独特な世界観を各フィギュアの造形から感じていただけることでしょう。

マンカは黄金の部族<<ゾロタヤ=オルダ>>を率いる魔王である。

黄金の部族は、悪魔の一部族だ。

その勢力は巨大で、およそ戦場には似つかわしくない黄金の鎧を身にまとい、同じく黄金の装飾品で身を固めて戦うことからそのように呼ばれていた。

黄金の部族は、深淵で一大勢力を築いていた。

そかし、彼らは新興の集団でもあった。

彼らのルーツは、辺境の弱小部族だ。生まれたての彼らは、魔界で雲霞のごとく生まれては、塵のように消えていく弱小の集まりに過ぎなかった。

そんな黄金の部族を今日の地位へと押し上げたのが、このマンカという指導者だった。

金ピカの戦装束で戦場へと押しかけるご機嫌な見た目とは裏腹に、彼らは理知的で合理的な集団だった。

巧緻極まる戦術とそれを支える戦略が彼らの急激な台頭を支えていた。

深淵の環境は過酷だ。

荒れ果てた大地は、昼夜の激しい寒暖差でその住人を責め立てる。

水源はそのほとんどが汚染済みで、食料は希少な上に全てが不味い。

結果、そこに生きる住人は、高い身体的強度が要求される。

住人は多かれ少なかれ強力な生物へ変貌を遂げ、結果、過剰なまでの力への信仰が常識として定着する。

となれば戦闘も並外れた力の激突が主流となる。

戦争は腕力強者が対する弱者を蹂躙するだけのつまらない興行となることがほとんどだった。

それを変えたのがマンカだった。

彼女は大規模戦闘の技術と知見を彼女の部族へともたらした。

斥候、弓兵、重装兵といった機能集団による連携を基軸とし、遠征を支える兵站を構築し、包囲攻撃の技術と事前斥候の重要性を黄金の部族へと伝えたのだ。

一方で、彼女らに敵対する諸部族は「戦争とはすなわち前進」程度の認識しか持たない戦争素人の集まりだった。

多少の腕力の差などなんの意味ももたらさない。

当然の帰結として、それら有象無象の諸部族は、短期間で彼女達に駆逐されその支配下へと組み込まれた。

その戦いの様相は、近代軍に蹂躙される前近代軍の姿にも似通っていた。

見るものが見れば、マンカの侵略が地上の歴史の再現であることに気づくことができたかもしれない。

彼女の知識の源泉は何処にあるのか。

それを知るものは存在しない。

だが、黄金の種族、彼らの言語で言うところのゾロタジャ=オルダという名称が、かつて地上の大半を支配した侵略部族の王朝の名とよく似ていることから、彼女が地上から来たと推察するもの達もいた。

もちろん真偽は不明である。

彼女は、名をマンカといった。

人間の言葉で「不具」や「傷ついた」と言う意味を持つ言葉だ。

これもまた、昔、噂になった話である。

ある領主の間に子供が生まれた。しかしその体は母の胎内ですでに大きく傷ついていた。

生まれ落ちた時、乳児は手足をなくしていた。

不具者に生きる価値は無い。

そうみなされたその乳児は戦場に置き去りにされた。

血塗れの泥濘に捨てられた乳児であるが、彼女を救うものがいた。

救い手は強力な魔界の鍛冶屋であった。

彼は、魔界に伝わる金属で腕と足を作り上げると、地獄の諸侯に対抗する自らの手足としてその乳児を育てあげたと言う話だ。

この話には続きがあって、その鍛冶屋の頭部は今、マンカの盾に飾られているという。

ついでに、彼の胸骨も剣の形に引き伸ばされて、二つの生きる武具としてマンカに利用されているという話であった。

実に荒唐無稽な話であるが、真偽を知るすべはない。

その噂話を広めていたもの達は皆、物言わぬ骸にされてしまったからだ。

死人に口無し。それは深淵にあっても真理であった。

マンカの盾には確かに立体的な悪魔の顔が描かれている。

そして、どうやらそれは生きているらしく、時折、悍ましい咆哮をあげ、その生存を主張した。

空虚な怒りか、裏切りに対する慟哭か、聞く者にその叫びの意味を判ずる術はなく、ゆえにマンカの出自も謎に包まれたまま、今日に至っている。

ダーク・プレイス・ミニチュア グレイター エンタティ 黄金卿 マンカ 16,800円(税別)

全国の模型店、家電量販店模型売場、オンラインショップなどで2022年3月発売予定。

ホビコレでもご購入可能です 。